人呼んで、”奇跡のワイン”.....新時代のお酒、アイスワインとは?

人呼んで、”奇跡のワイン”.....新時代のお酒、アイスワインとは?

ワインの新しいあり方として、アイスワインというものがあります。
海外の一部地域では、すでに特別なワインだと認識されており、かなり高い評価を受けています。

とはいえ、
「アイスワインって何?」
「アイスワインはどんな味がするの?」

というような疑問を持っている人も多いでしょう。
まだ日本で広く普及しているわけではないので、なかなか情報を知る機会も限られています。

本記事ではアイスワインの概要やおすすめの銘柄について解説します。
ぜひ、参考にしてください。

アイスワインとは、どんなお酒?

 

アイスワインとは、凍結させたぶどうを使って製造されたワインの総称です。
決して「凍らせたワイン」、というわけではありません。

アイスワインの特徴は、「ぶどうを凍らせる」ことで生まれる、特別な美味しさです。
凍結したぶどうは、そうでない場合と比較して、旨味成分や甘みが凝縮されています。
一方で水分量が少なくなっており、風味や味わいは濃厚かつ豊潤なもの。

そんな「凍ってしまったぶどう」から作られたアイスワインは、まさに一級品の味わい。
香りやコク、旨味、甘みがブラッシュアップされ、多くのソムリエをうならせています。
中にはアイスワインを、「奇跡のワインだ」として褒め称える人も少なくありません。


特に甘みが強く主張されるようになるのもポイント。
よって基本的にアイスワインは「極甘口」の部類に入ります。
この特徴を有していることから、デザートワインとして飲まれることが大半です。

デザートワインとしては、やはり貴腐ワインが一般的な存在として知られています。
しかしアイスワインも、貴腐ワインに勝るとも劣らないポテンシャルを持っています。

貴腐ワインとアイスワインとの違いとは

アイスワインは、その特徴を多く共有している、貴腐ワインとよく比較されます。
両者はたしかに似ている部分もありますが、味はかなり異なっています。
具体的には、

  • アイスワインはやや軽快な飲み口で、甘さもすっきりしている
  • 貴腐ワインはずっしりとしたアタックで、まるでメープルシロップのような強い甘みと粘り

という違いがあります。
いずれか一方が劣っているということではなく、それぞれで異なった魅力を持っているのです。
どちらが自分の好みと合致しているか、飲み比べてみるのもよいでしょう。
ただ、一般的には「アイスワインのほうがクセを持っておらず飲みやすい」と評価されているようです。

その他、製造の方法もまったく異なります。
上述のとおりアイスワインは、凍結したぶどうを使用して生産されます。
一方で貴腐ワインは、「貴腐菌類」を意図的に発生させて生産されるワインです。
というように作り方から大きく異なっており、それは味や見た目、香りにも反映されています。

アイスワインが生まれた、奇跡のエピソードとは?

ちなみにアイスワインの発見は、ちょっとした偶然がはたらいたものでした。
1890年代、ドイツの「フラコニア地方」は、きわめて厳しい寒さに襲われます。
そして氷点下を大きく下回る低温にさらされたぶどうたちは、完全に凍ってしまったのです。

ワイナリーは、当然ながら凍ったぶどうを処分しようとしたそう。
しかし、試しに凍ったぶどうでワインを作ってみると、驚くほど美味しいワインが出来上がってしまったのです。
以後、「凍らせたぶどうで作ったワイン(アイスワイン)は、とても美味しい」ということがわかり、ドイツ国外でも生産されるようになりました。

現在はドイツを中心に、カナダやオーストリアといった「ぶどうが凍らせやすい気候」の地域で生産されています。
ちなみに「アイスワイン」という名称を名乗れるのは、上記3国で生産されたものだけ。
他の国で作られていたとしても、それは厳密にはアイスワインではないというわけです。
このあたりから、「アイスワインの品質と品位を高く保つ」というワイナリーたちのこだわりやプライドがうかがえます。

アイスワインの美味しい飲み方

続いて、アイスワインのおいしい飲み方について解説しておきましょう。
基本的には、あまり冷やさないほうがよいとされています。
なぜなら、アイスワインが持つせっかくの甘みをじゅうぶんに感じられなくなるから。

アイスワインの適温は、おおむね5度から10度だと言われています。
つまり冷蔵庫やワインクーラーから取り出して、すぐ飲むものではないというわけですね。

適温に調節できるワイナリーがあれば、それを利用しましょう。
なければ、冷蔵庫やワインクーラーから取り出して、1時間ほど常温に置けばOK。
ほとんどの場合、これでアイスワインの適温に到達します。

グラスは、いわゆるフルートグラスがベスト。
香りがグラスの中で滞留するので、風味とフレーバーをたっぷりと堪能できます。
フルートグラスを用意するのはたいへんかもしれませんが、アイスワインの真価を知るうえでは、ぜひ使いたいところです。

アイスワインとは、どのようにして作られている?

アイスワインを作るうえでは、スタンダードなワインにはない相当な苦労と創意工夫があり、生産するのは並大抵のことではありません。

アイスワイン用のぶどうが摘み取られるのは、おおむね12月から2月の間。
この時期を迎えたぶどうは、鳥たちにとって格好の獲物。
よって防鳥対策を施して、ぶどうたちを守らなければいけません。

実際にぶどうを摘み取るのも一苦労です。
氷点下8度に至る深夜から早朝で、素早くぶどうを収穫します。
極寒の中で凍ったぶどうを摘み取るのは大変なことです。

収穫が終わったら、休む間も無くぶどうを絞り、果汁を採集。
その果汁を発酵させたものが、アイスワインというわけです。

ちなみに凍ったぶどうから取れる果汁は、ほんのわずか。
一房からグラス1杯が絞り取れれば多いほうだと言われています。
アイスワインの元となる果汁は、とても貴重なものなのです。

また、「ぶどうがうまく育たないケースがある」という点も、生産を難しくしています。
知ってのとおり、ぶどうは寒さに強い果物ではありません。

品種や個体によっては、寒さを耐えきれず、成長が止まってしまう場合もあるのです。
一方で暖冬によって、「そもそもぶどうが凍らない」というケースも起こり得ます。

アイスワインの「奇跡」とも言われる味を保ち続けるのは、厳しい寒さに耐えることと、そのうえでスピード感も求められます。
さらに天候や気温、ぶどうそのものの耐寒性にも左右され、なかなか思うようには行きません。

ただでさえ大変なワイン作りですが、アイスワインにかかる苦労は、それを超えているとも表現できるでしょう。
しかし上記のようなワイナリーの努力こそが、アイスワインの美味しさへつながっています。
逆に言えば、「これだけの苦労に見合うだけのすばらしい価値が、アイスワインには存在する」というわけです。

おすすめのアイスワイン3選

というようにアイスワインは、とても魅力的な「新時代のワイン」です。
もちろん普通のワインも美味しいものですが、多くの人を驚かせ続けるアイスワインも、ぜひ試してもらいたいところ。

とはいえ、「どの銘柄のアイスワインを選べばいいか、わからない」という人も多いでしょう。
何せアイスワインが知られるようになってからまだ間もないので、あまり情報も出回っていません。
Webで検索しても、大して参考にならないのが実情です。

下記では、特別におすすめできるアイスワインを、厳選して7本紹介します。
ぜひ、参考にしてください。

ゼルバッハ オスター/ ツェルティンガー ヒンメルライヒ

アイスワイン発祥の地、ドイツから送られるゼルバッハ・オスター。
モーゼルを代表する銘柄としても知られています。

350年の歴史を持つ名門「ゼルバッハ」にて製造されており、クオリティも一級品です。
果実味がはっきりとしており、酸の主張も上品。
欠点らしい欠点のない、優秀なアイスワインと言えるでしょう。

価格 12,760円
生産地 ドイツ/ゼルバッハオスター
色の種類 白ワイン
内容量 375ml

エロイカ/リースリング アイス ワイン

ポップなデザインのボトルが美しい、エロイカのアイスワイン。
見た目と色合いに違わず、とても飲みやすいのが特徴です。

しっかりと感じ取れるアプリコットのような甘みには、上品さやエレガントが感じられます。
リースリングの持つ香り高いフレーバーも特徴的で、エレガントな雰囲気を演出してくれるはず。

たいへん飲みやすい部類に入り、ワイン初心者でも楽しめる一本として仕上がっています。

価格 7,579円
生産地 アメリカ/ワシントン
色の種類 白ワイン
内容量 375ml

グリューバー/ シャルドネ アイスヴァイン(SC)

アイスワインでは名前が知られた、オーストリアに原産を持つ一本です。
バナナやパイナップルなどのフレーバーが詰め込まれた、少し変わり種のアイスワインとして仕上がっています。
さらに蜂蜜の風味も感じられ、甘みがたっぷりと味わえるテイスト。

デザートワインとしては、これ以上ないほどフィットする一本でしょう。
ポップな味わいも手伝って、ビギナーにも飲みやすいはず。
価格は1本3,200円と、かなり入手しやすい部類に入ります。

価格 3,200円
生産地 オーストリア/ニーダーエスタライヒ
色の種類 白ワイン
内容量 375ml

まとめ:アイスワインを試してみよう

ワインを作るとき、一般的に「ぶどうを凍らせる」という工程は含まれていません。
「皮を剥く」「ブレンドする」というようなことはあっても、「凍らせる」ワイナリーなど存在しなかったのです。
もし積極的にぶどうを凍らせるワイナリーが入れば、周囲からは冷めた目で見られていたでしょう。

しかし、ふとしたきっかけでぶどうが凍ってしまい、さらにそこから「アイスワイン」が生まれました。
まさに偶然が生んだ「奇跡のワイン」です。
スタンダードなワインに慣れてしまった人も、ぜひ一度、アイスワインを試してみてください。

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